2011年4月2日土曜日

ベーシックインカムを提議する

友人から提議がとどいたので掲載します。いますぐ、被災地・準被災地の人々に、ベーシックインカムの給付を。彼・彼女たちは、あたらしい土地に移住し、あたらしい生活をはじめなくてはならないのだ。

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せめて被災者たちにベーシックインカムを!

地震と津波ですべてを失ってしまった人たちがいる。福島第一原発からの放射能はやむことを知らない。畑や海が汚染されて仕事ができなくなってしまう人たちがいる。政府はそういった人たちにベーシックインカムを給付することを真剣に考えるべきである。

「一時金」を支給したり、いつになるかわからない「保障」を約束することより、希望するすべての人にすぐにでもベーシックインカムの給付を始める方がよい。そうすることで彼らには生活を立て直すための余裕が生まれるし、どこかに避難せざるをえない場合でも、彼らがベーシックインカムから支出するお金はその地の経済の活性化に貢献する。「仮設住宅」や「心のケア」よりベーシックインカムによる礎からの救済が大切である。

もとよりベーシックインカムとは、最小限の生活費を無条件に給付することによって、誰もが労働への隷属から解放されるような社会を創ろうという提案である。そこでは地上に生きるすべての人の生存を保証し、働くことの無償性を回復することが問題となる。それは「労働は人間を自由にする」という、ナチスによって絶滅収容所の入り口に掲げられた言葉をひっくり返すだろう。その言葉の非人間性は歴史によってすでに証明されているがゆえに。 

他方、現代のデモクラシーは、奴隷に労働をさせていた古代ギリシャのデモクラシーとほとんど変わらない。いまでもひとは過重な労働に苦しみ、あるいは働きたくとも雇用がないという状況をどうすることもできない。われわれがこの未曾有の災厄を世界に先駆けてベーシックインカムを導入することによって乗り越えるべきなのは、そのような世界を破滅から救うことにつながるからである。

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