2009年2月20日金曜日

大学占拠・グアドループ・ギリシャ・『クレーヴの奥方』


「グアドループは/をあらゆる場所に グレース・ジェネラル(グレーヴ・ジェネラルつまりゼネストの言い換えで、グレースとはギリシャのこと)」

19日午後パリでの研究者・教員・学生によるデモ(30000人)ののち、およそ250名の学生がソルボンヌ大学を(ついに!)占拠した。この大学占拠は、フランス海外県グアドループでゼネストを決行している人々・ギリシャで蜂起している人々に連帯を表明するため、そのゼネストや蜂起にたいする連帯行動をフランス全土に呼びかけるため、そして大学改革に反対するためのものであり、占拠はいま(夜中)も続いている。世界を唯一のものとして構想する学生たちの想像力、動的編成に胸がときめく。学生の学生への生成変化とはこうしたものだろう。今夜、パリの学生たちは最高だ。

ところでいまフランス改革反対の声をあげる研究者・教員・学生のあいだでは17世紀小説『クレーヴの奥方』(1678)が空前のブームである。ラファイエット夫人の『クレーヴの奥方』超いいよねー、と。これには経緯がある。大統領選挙中のサルコジが「こんな小説読んでなんの意味があるんだ」などと発言をしたその翌日、カルチエ・ラタンの書店には『クレーヴの奥方』を求める客が殺到した。さらに、サルコジが大統領に就任したさい、大統領官邸エリゼ宮には大量の『クレーヴの奥方』が方々から送り付けられたという。先日の改革反対フラッシュ・モブでは、多くの参加者が『クレーヴの奥方』を携えて登場した。つまり『クレーヴの奥方』は今回の大学運動、大学ストのシンボルともいえる存在なのである。ストライキの中心に文学があり、さらにいえば、文学の中心にストライキがあるのだ。

世界を分断する資本主義・改革ではなく、文学とともに世界の一義性を構想する学生たちが正しい。文学とともに、分断された世界を新たに編み直すのは誰にとっても楽しい。

ソルボンヌ占拠!!!

ソルボンヌ占拠!!!
09/02/20(01時50分)

およそ15000人から30000人を動員した研究者・教師・学生たちによるパリでのデモののち、今夜、あるグループがソルボンヌ大学を占拠した。それは今も続いている。ソルボンヌ大学を占拠したグループは、現在アンティル諸島でストライキを決行し、われわれにすすむべき道を示してくれた人々との連帯を表明している。かれらは、公共サービスや社会法などの解体を推し進めるフランス政府に対して、フランス本土でも、アンティル諸島ならびにギリシャのように抵抗すること、そのためにも「ゼネスト」を敢行し、サルコジやその取り巻きたちを辞任へと追いやることを呼びかけている。(BELLACIAOより訳出)

2009年2月19日木曜日

大学スト決行中


↑左「学生よ、気をつけよう、上海大学ランキングは共産主義の陰謀だ」

現在フランス国中の大学がストライキ中で明日(19日)はデモです。
一度可決してしまった大学改革法を引っ込めろと。
今回の運動は争点がすごいいろいろあって一言で言えないんだけど、要するに研究を資本主義に評価させるな、ということだろうか。とにかく大学人の環境がものすごく劣悪なものになろうとしていて、いろんなひとが失職する、研究できなくなる、悪質な競争がはびこる、という改革にたいする大学関係者全員の反対運動(これからくわしく調べます)。
現在のフランスの大学の仕組みもまだ分かってないぐらいだから、ちょっとついていけてないんだけど、でも運動を見てれば分かることはたくさんある。運動は抽象度を高めるものだから。今日はサン・ミシェル広場で「フラッシュ・モブ」やりました。めいめい好きな本を手に決まった時間に集まって、誰かが笛を鳴らす。すると皆がその本を音読して、次の笛で終了、解散。
あと大学で特別授業や集会ががんがんひらかれてて、『大学の歴史』のクリストフ・シャルルもスト中の大学で「大学改革がなぜ失敗するのか」とかいう授業をしてました。これまでに大規模デモはすでに二回されてて、その二回目の警察動員がアホみたいに多かった。警察車両がざっと200台ぐらい。放水車も登場。
これらから分かるのは、なんか起こりそうだということ。来るかも。個人的には、デモにやんちゃ君も参加してほしーな。

2009年2月11日水曜日

2・10大学デモ



大学ストの回帰


フランスに大学ストライキが還ってきた。
一度成立してしまった改革法であれ、気に食わないから撤回をもとめる、という50,000人の学生・教師・研究者・留学生・やじ馬・市民たちのアナーキーな運動。この運動で賭けられているのは、やろうと思えば改革法などいくらでも潰せる、というデモクラティックな力の発動だ。サルコジのような人間にわれわれの生を左右されたくない、われわれの大学に触れるな、ということだ。