ケベック学生のストライキは三カ月つづいている。5月17日には議会によってこの反学費ストライキ鎮圧をはかる「78法案」が可決された。これは集会やデモの権利を制限するものであり、それらが公共施設内部および周辺50メートルでなされることを禁じている。この禁則をやぶった個人には1,000~35,000ドルの罰金、組織には25,000~125,000ドルの罰金が課される。そしてこの法案は、ストライキされてきた大学の8月末からの再開を定めている。ストライキが教育をうける権利を侵害している、というのである。これにたいして5月20日にはモントリオールで27回目の夜のデモがおこなわれた。300名の逮捕者を出したという。
先日早稲田でのシンポジウム(「大学はタダになるのか」)で白石嘉治氏が述べたように、われわれは不可能なる現実の名において大学ストライキを創出しなければならない。学生の債権化を実力で阻止するケベック学生のように、がれき焼却受け入れを実力で阻止する北九州市民のように。
現在、ストライキとは何を意味するのか。たしかなのは、工場=労働者=ストライキという従来のアレンジメントが過去のものとなり、社会工場=社会労働者=ストライキというあたらしいアレンジメントがそれに取って代わったということである。工場のパラダイムが生産だったとすれば、社会工場のパラダイムは流通である。労働者のパラダイムが男だったとすれば、社会労働者のパラダイムは女と学生と子供である。従来のストライキが生産の停止だったとすれば、現代のストライキは流通の切断である。従来のストライキが社会への動員だったとすれば、現代のストライキは社会動員の解除である。
社会工場のさまざまな流れ――生産の流れ、商品の流れ、金融の流れ、ヒトの流れ、情報の流れ、電力の流れ、ガスの流れ、放射能の流れ――を切断すること。これが現代のストライキの射程なのである。たとえば、学生が学生ローンをかえさないことは金融の流れをたちきるストライキである。被曝を拒否することは汚染食品の流れをたちきるストライキであり、放射能がれきを拒否することは被曝や放射能やがれきビジネスの流れをたちきるストライキである。脱動員研究所の『ストライキの概念の諸テーゼ』(2012年)をひこう。
「ストライキは内的である。このテーゼは「デモは外的である」という別のテーゼに照し合せて理解される。外的行動というのは、内にたいする外の動員である。デモ参加者は県庁や省庁のまえで広場いっぱいに集結させられる。たとえデモが申請コースを逸脱し、組合の隊列からあふれだし、警備軍や非常線を突破することがあっても、デモは外的であるために無害である。デモは戸外にとどまる。それにたいして内的行動は、内の動員解除によって開始され、内と外の境界線を消失させるにいたる。 」
先日早稲田でのシンポジウム(「大学はタダになるのか」)で白石嘉治氏が述べたように、われわれは不可能なる現実の名において大学ストライキを創出しなければならない。学生の債権化を実力で阻止するケベック学生のように、がれき焼却受け入れを実力で阻止する北九州市民のように。
現在、ストライキとは何を意味するのか。たしかなのは、工場=労働者=ストライキという従来のアレンジメントが過去のものとなり、社会工場=社会労働者=ストライキというあたらしいアレンジメントがそれに取って代わったということである。工場のパラダイムが生産だったとすれば、社会工場のパラダイムは流通である。労働者のパラダイムが男だったとすれば、社会労働者のパラダイムは女と学生と子供である。従来のストライキが生産の停止だったとすれば、現代のストライキは流通の切断である。従来のストライキが社会への動員だったとすれば、現代のストライキは社会動員の解除である。
社会工場のさまざまな流れ――生産の流れ、商品の流れ、金融の流れ、ヒトの流れ、情報の流れ、電力の流れ、ガスの流れ、放射能の流れ――を切断すること。これが現代のストライキの射程なのである。たとえば、学生が学生ローンをかえさないことは金融の流れをたちきるストライキである。被曝を拒否することは汚染食品の流れをたちきるストライキであり、放射能がれきを拒否することは被曝や放射能やがれきビジネスの流れをたちきるストライキである。脱動員研究所の『ストライキの概念の諸テーゼ』(2012年)をひこう。
「ストライキは内的である。このテーゼは「デモは外的である」という別のテーゼに照し合せて理解される。外的行動というのは、内にたいする外の動員である。デモ参加者は県庁や省庁のまえで広場いっぱいに集結させられる。たとえデモが申請コースを逸脱し、組合の隊列からあふれだし、警備軍や非常線を突破することがあっても、デモは外的であるために無害である。デモは戸外にとどまる。それにたいして内的行動は、内の動員解除によって開始され、内と外の境界線を消失させるにいたる。 」
外のデモ――屋外、労働時間外――の隆盛の裏側で、すでに内のストライキは進行している。被曝を、放射能がれきを実力でストライキするように、学生は学生ローンをストライキする必要がある。われわれは外の時間を止めて、内の時間を生きる必要がある。
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