2011年3月7日月曜日

ステイト・セキュリティ解体闘争

3月5日夜、エジプト。
国家保安情報局(ステイト・セキュリティ)の本部(カイロ近郊)から煙があがった。
国家保安情報局とは、かつての東ドイツにあったシュタージのごとき秘密警察・諜報機関であり、
およそ10万人がはたらいているといわれる。
その煙をみて、「過去の悪行にかんする書類を焼却している」とのうわさが街をかけめぐった。
「過去の悪行にかんする書類」とは、左派勢力の拘束や拷問の記録である。
当然、そこには個人情報(ブラックリスト)もふくまれている。
国家保安情報局の解体をもとめる蜂起団は、
アレクサンドリアやカイロなど全国各地の同局建物を取り囲み、
侵入し、機密文書を確保しようとしている…

すごい。
蜂起民衆が、軍人や警察官と涙ながらに抱擁する、そんな絵は子供だましであり、
蜂起が国家暴力装置の解体に向かわないわけがない。
じっさい、これはある意味、ムバラク辞任なんかより重要ではないか。

すばらしいのは、
素手による蜂起リークであり、
素手による個人情報ラッダイトである。
国家治安情報などどんどん暴露してしまえばいいし、
ブラックリストなどはかたっぱしから焼き払ってしまえばいい。

しかしながら、
ステイト・セキュリティの解体をもとめる蜂起団にたいし、
1月25日に登場しわれわれの記憶にあたらしいムバラク親衛隊、
あの腐敗そのもののごとき私服ファシストどもがみさかいない弾圧に出ているという。
そもそも、ムバラク辞任後のエジプトはステイト・セキュリティが統治しているのだ。
ステイト・セキュリティ解体闘争。すさまじいことが起きている。

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