2011年3月6日日曜日

「カダフィの首がほしい」



蜂起の砂嵐が西進している。
地図を見ながらおさらいしておこう。

リビア蜂起軍が拠点としているのは、北東のベンガジBenghaziである。
4日には石油精製工場のあるラスラヌフRas Lanoufを占拠した。
報道によれば、蜂起軍は、カダフィの生まれ故郷シルトSyrteを経由して
首都トリポリTripoliへと向かっているという。
それにたいして、カダフィ軍はトリポリの西50キロにある
ザーウィアZawhyahを制圧しようとしている。

カダフィの沈没とともに歴史のゴミ箱に捨てられようとしている言葉がある。
カダフィが体現する「反米」であり「クーデタ」であり「テロ」である。
ふるくさい想像地図の結節に位置するものとして、
左翼のおじさんやおばさんの頭のなか、
右翼のおじさんやおばさんや若者の頭のなかに巣食ってきたあれら言葉たちだ。

じっさい、「反米」やその化身である陰謀説ではアラブ蜂起の真実はみえてこないし、
リビアの軍人たちは、死とひきかえに権力者の命令を拒否する。「クーデタ」とは正反対の光景だ。
そして怒りに震える民衆は、カミカゼ・テロを敢行するよりも、
みずから炎となって燃え上がることをえらぶだろう。
その行為が、民衆蜂起という神話政治を発動させるのである。

ともあれ、蜂起した者たちの快活な声をきこう。
独仏共同出資チャンネル「アルテ」の3月5日のニュース、00:58より。
すべてがきらめいた世界。
砂漠を疾駆する四駆トラック、旗、スカーフ、ゴーグル、刀、快活な笑顔と声。

「今度はトリポリだ。トリポリに向かっているんだ。」
「おれはカダフィの首がほしい。カダフィの首をとるんだ。」
「カダフィは終わりだ。カダフィは終わりなんだ。」


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