2011年6月16日木曜日

ATOM-STAAT STILLEGEN



原子力推進派は彼らのいちかばちかの賭けで、最後の勝利を得るために多くの危険を冒す気でいるが、それらのうちアルフィン・ヴァインベルク(Alvin M. Weinberg)によって提言された新しいエリートという「制度的方策」ほど危険なものはない。それは、原子力賭博者とその援助者が民主主義を新しい階級秩序のために犠牲にする覚悟でいること、彼らが既存の不正な権力関係を安全性という目的から永続化したがっていることを含んでいる。それだけでなく、この考え方の背後には、危険な装置の要求通りに「確か」で、意志なしで働く機械部品と同じように感情がなく、注意深く、信頼でき、飽きることがなく、意のままになる「人間類型」をつくりだすことができるだろうという思想があるのだ。
(ロベルト・ユンク『原子力帝国』山口祐弘訳、現代教養文庫、1989[原書1977])

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