2011年1月19日水曜日

戒厳令の夜

ベンアリ大統領が亡命した1月14日の戒厳令下のチュニジア、夜、ハビーブ・ブルギーバ大通り。ひとりの男が激情をさけぶ。動画撮影者らは「なんて彼は勇気があるの」とつぶやき、すすり泣き、ついには共鳴のおたけびを上げる。

フランスにおいても情報の規制と操作はすさまじい。というか、情報自体が規制と操作なのだが、この世界の情報機関は、今回のチュニジア革命を反独裁者革命、あるいはたんなる政権交代のごときものとして伝えるだろう。「イスラム世界においてデモクラシーは可能か?」? ふざけんな! ふ・ざ・け・ん・な! 思考停止のライシテ主義者たちには退場ねがいたい。ライシテ左翼はル=ペン一家と極右ごっこでもしてな。

去勢されたユーロピアン・デモクラシーやアジアン・デモクラシーには想像もおよばない、人類未到のデモス体制のために、全世界と相対峙しつつ全人類の夢を胸に、情熱的に蜂起し、革命のプロセスに取りかかろうとしているのだ、チュニジアのひとびとは。くさった情報に捕獲されないために、この叫び、すすり泣き、おたけびを聞こう。

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