
multitudes誌39号は大学特集である。みんな大学についてなにを考えているんだろう? テーマやキーワードはなんだろう? というわけで目次だけ紹介しておこう。
Yves Citton「マルチバーシティ的
multiversitaireな持続注入あるいは拡散のもとにおける大学」
Davy Cottet他「フランス大学改革に直面したコニタリアートの出現」
Christopher Newfield「コニタリアートの構造と沈黙」
Collectif Edu-Factory「エデュファクトリー機械――トランスナショナルな政治と翻訳制度」
Hakim Bourfouka「研究の不安定な岸辺」
Jon Solomon「方法としての翻訳――ネオリベラル大学、あらたなputonghua(共なる言語)を練り上げる場」
Michail Maiatsky「ボローニャ風ピロシキ――ロシアの鏡がうつしだすヨーロッパの大学」
Artemy Magun「ポストソヴィエトのロシアにおける高等教育――その内側からの観察」
Denis Giordano「災厄に直面したアクロバシー――死に瀕したイタリアの大学のなかの希望の波」
Signataires anonymes「諸大学の幸福な改革のために」
なるほど。おそらく90年代以降の一連の大学改革には二つのプロセスが進行している。ひとつは大学を社会化するというもの。ネオリベラル社会だから、大学もネオリベ社会化するという。これが産学協同とか民営化とか呼ばれたものだった。ただし、今後はもうひとつのプロセスのほうが顕在化してくるのではないか。すなわち、社会を大学化するというプロセスである。ネグリは労働の女性化というが、労働者が学生のようになっていく、ともいえるはずだ。自分の周囲を見てみよう。まともな労働者なんてほとんどいない。変な労働者ばっかりだ。おそらく、彼ら彼女らは学生へと生成変化しつつあるのである。
給料は奨学金のようになっていくだろう。つまり申請して給料を受け取る。そのあと労働する。労働時間なんてもう意味ない。じっさい、フランスの物書きは申請して金をもらってから本を書いているし、生活保護だって申請して金もらってから生活する。でも、日本の奨学金とおなじで、どうせ審査がうざいはずだ。でもそうなればベーシックインカムまであとすこしかもしれない。ベーシックインカムよこせ! 奨学金(くれるやつ)よこせ!